茨城県日立多賀に、実の弟が居る。嫁さんに電話がつながった今こんな状態なので行く所が無く困っている、少しの間泊めて欲しいと、電話で見えない相手に頭を下げた。心良く引き受けてくれて、直ぐ来るようにと言われたが、来る途中に日立市の保健所に寄ってスキニーング〔身体汚染検査〕をしてから来て下さいとの事。私も妻も兄妹も孫も皆、原発が爆発する以前に避難し安全なのにどうして、不信におちいった。妻はしかたないよ向こうでそう言うなら、お父さん受けようよ、涙声だった。被爆しないように早くから避難していたのに、茨城県では、原発の避難者の受け入れには、その指示を徹底しているようだ。バカやろ。どうせやるなら、車全部止めて、やらなければ、汚染なんか止められるかバカやろ、勝手にしろ、自分で一人ごとのように、毒舌を吐いた。今は素直に、はいと、言うしかなかった。気を取り直し、160キロの避難先を、目指し出発した。
— 「悪魔からの逃避行」 (via otsune)
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